お葬式は一般的な日本人にとって唯一ともいうべき宗教行事への参加機会でありかつご自分のご家庭が先祖代々信仰してきた宗教・宗派を知る機会でもあります。いざご家族がお亡くなりになった時点でもご家庭の宗派をご存じない方は結構多くいらっしゃいます。大学入学と同時に実家を離れてしまって、そのまま遠方で暮らしている私自身も50歳を契機に葬儀社を始めなければ実家の宗派(浄土真宗高田派)を知ることはなかったかもしれません。これまでの法要で幾度となくお経をあげていても、どこにも「浄土真宗高田派」と大きく書かれていませんし、実家のお仏壇にも何も書かれていません。表札のようにして「浄土真宗高田派」とどこかに書いてあればわかりやすいのですが、元来、日本に伝わる仏教文化にはそうした野暮な習慣はございません。実家の人に聞いてみることが一番ですが、当の実家の人も意外とわからずにお寺さんに参ってもらっている人もいらっしゃるかもしれませんね
奈良 お葬式と宗教